タイの空気感「ホアヒンを行く」

アタマが気になるホアヒン・ビーチの陽射し

ホテルのプールサイドを抜けてビーチに出てみた。右を見ても左を見ても遠浅の砂浜が遙か彼方まで続いている。本格的なシーズンに入っていないせいか、人がいない。殺風景といえば殺風景なのだが、あまりにも長く広いビーチは雄大でもあった。
実はカオ・タキアップまでビーチ沿いに歩いてみるかと、軽い気持ちで出て来たのだ。でもすぐに絶対に無理だと分かった。それでも、「遠くに見えるけど歩くと案外行けるかも知れない」などとバカな思いもあって、無謀にもカオ・タキアップを目指した。砂浜がこんなに歩きづらいことをすっかり忘れていた。クタのビーチやアンダマンのビーチを何度も歩いて思い知らされていたのに、喉元過ぎれば何とかである。

それにしても暑い!。帽子の中は蒸し風呂のようになった。この状況はマズイ、残り少ない髪にも頭皮にもいいはずがない。帽子を脱ぐと今度は坊主頭に日射しがキツ過ぎる。痛みを覚えるほどだ。どうすればいいんだ!
取りあえずの目標とした高層ホテルはいまだ遙か彼方にあった。歩みが遅いせいもあるとはいえ、カオ・タキアップに到達するなどとうてい無理だ。足も痛んできた。引き返そう。後ろを振り返った途端に、私は腰が砕けそうになった。想像以上に歩いていたのだ。ワタシのホテルはどこだ?。まったく見えなくなってしまっている。この暑さの中で頭を気にしながら、歩きづらい砂浜を帰るなんて…。年甲斐もなく泣いてしまいそうだった。

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