浜寺公園からの帰り道、せっかくだから住吉大社に寄ってみることにした。「住吉鳥居前」という停留所で降りると、目の前が住吉大社だ。花見客でごった返していた浜寺公園に比べ、ひっそりとしている。時節柄、参拝者は少ないようだ。参道を進み朱赤も鮮やかな太鼓橋を渡る。昔一度だけ初詣で来たことがあるが、その時は夜だったし、参拝者でごったがしてたこともあって、住吉大社がどんなものなのかは、まるで分からなかった。
大阪の市街地にあるからだろうか、敷地は広くないように思える。本殿も以外に小さく、回りを囲む木々も重なりが乏しいため、荘厳な雰囲気にも欠けているように思えた。どこかカラッとした妙に薄っぺらい雰囲気と、敷地内にある結婚式場が幅を効かせてる景色は、どこの大社とも異なる空気感を漂わせている。
「この感じ、どっかにあったぞ!」
  そういえば玉造稲荷社もこんな感じがした。大阪ならではの商売っ気のなせるワザなんだろうか。そこかしこに金儲けの影を感じてしまう。どうして神聖さを自ら壊そうとするのだろう。明らかに参拝者を「お客」として考えているふしが見受けられる。真の参拝者などはいないのだろうか。
それでも太鼓橋の架かる池の端の桜は美しく、池で遊ぶ鴨のつがいは優雅に水面を泳いでいた。

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