残照の中の棚田

ジャワからの帰り、海岸線と平行に走っていた道路はソカの手前で左に折れた。アントサリからの曲がりくねった道を登り切ったところに、目を見張るような棚田の景色が広がった。私はゴフルにジムニーを止めてもらい、カメラを手に駆けだした。太陽はすでに山の端に隠れ、鮮やかな緑は色を失おうとしていたが、それでも十分に美しかった。水を張られたばかりの棚田は夕暮れの白い空を映して輝いていた。見慣れた景色なのだろう、行き交うクルマは一台も止まることはなかった。間違いなくこの島で最も美しい景色の一つだと思った。

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