インテリアに興味を持ち始めたのはいつ頃だったろう。いろいろ本を買って、椅子やテーブル、ソファーに照明器具などの知識をむさぼっていた時期がある。
最初に興味を持ったのはソファーだった。雑誌や広告写真の中に登場するソファーで、アルフレックスのマレンコだ。ふっくらしたデザインがその時代を象徴していたのか、買うならこれと決めていた。しかし残念ながらソファーを置いて様になる家には住めずじまいで、ソファーを買うことはなかった。
ハンス・ウェグナーというデザイナーを知ったのは、ちょうどその頃だった。このワイチェアーもさることながら、スーパーレジェーラという超軽量の椅子を見た時は本当に驚いた。ワイチェアーもけっこう軽い椅子なのだが、スーパーレジェーラの軽さは半端ないのである。小指で持ち上がるというキャッチフレーズは大げさではなかった。ただ値段にも驚いた。1g当たりで計算するとゴールドに匹敵するかも知れなかった。
それはともかく、家の改装に合わせてダイニングテーブルと椅子を買うことになった。椅子はご覧のワイチェアーである。優雅な曲げ木のラインとホワイトオークの肌触りが心地いいのだ。座は紙を寄り合わせて編み上げてある。10年以上使っているが、伸びることもない。そして、何よりその姿に飽きないのだ。妻はワイチェアーが苦手で、別の椅子を買った。我が家ではダイニングテーブルを3脚のワイチェアーと、妻のお気に入りの、けっこう座りやすい椅子が囲んでいる。

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