ナマステ/ネパール顛末記

写真を撮ってもいいですか?

日暮れ前、パタンの路地を歩いているときだった。ガイドのデブさんが育った町ということもあって、まず観光客など歩かない裏路地を右へ左へと折れ曲がりながら、とある角を折れるとその家族はいた。
季節柄、家の中が暑いというわけでもないのに、家の前に家族全員で座っておしゃべりを楽しんでいるようだった。小柄な老婆を真ん中に、息子なのか孫なのか数人の家族に囲まれて、いかにも楽しそうでのどかな景色があった。

話を聞くとおばあちゃんは84歳になるという。平均寿命の低いネパールでは、一族の誇りというべき存在なのだろう。どこかしら「いかにも一家をまとめている」的な風格を漂わせているようにも思えた。横に座っていたのは、たぶん孫の嫁だろうか、2歳くらいの子供を抱いて恥ずかしそうに笑っていた。も忘れるほどだった。

デブさんの通訳で写真を撮ってもいいかと聞いたら、快く応じてくれた。デブさんは他にも何かを喋っていたが、話の内容は分からなかった。たぶん、我々が日本から来た友人だと説明していたのだろうか。それとも、小さい頃はこの辺りで暮らしていて、その家族が知っているかもしれない知人のことを話していたのだろうか。それにしても心がほんわかとしてくる夕暮れのひとときだった。

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