ナマステ/ネパール顛末記

ミス・ネパールがパイロット?ヒマラヤ遊覧飛行で、ごきげんなひとときを。

今回のネパール旅行のハイライトのひとつにヒマラヤ・マウンテンフライトがあった。トリブヴァン空港を飛び立つ双発のプロペラ機ビーチ1900は、世界最高峰のサガルマータ(エヴェレスト)を目指して西に向かい、そして折り返してくるというコースを飛ぶ。期待度はまさにエヴェレスト並みであった(おやじギャグで申し訳ない!)。
朝5時半起床。7時にホテルロビーに集合。朝一番のフライトを予約しているのだ。それには理由がある。マウンテンフライトの約束事に「天候が悪くてヒマラヤを見ることができないときは飛行代金をお返しします」というのがあるらしい。で、実際はどうかと言うと、ヒマラヤが見える状態になるまで飛ばない。天候が回復するまで何時間でも離陸を遅らせるというのだ。

いかにもネパールらしい「エエ加減さ」ではないか。そう言う訳で、待たされるのが大嫌いな高岡氏の助言もあって「一番の便を予約しておけば、遅れても一番先に飛べる」道理を実行することになったのだ。
案の定、その日のカトマンズは深い霧に包まれ、予定の時間が来ても空港内にさえ入れず、やっと手荷物検査を通過して入った国内線の出発ロビーは、全フライトが遅れていたため人であふれ返っていた。そこでさらに待つこと1時間余り。予定より2時間も遅れて、ブッダ航空のビーチ1900に乗り込んだ。機内は思ったよりも狭く、長めのマイクロバスといったところ、座席数も20席程度だ。事前にもらったマウンテンフライトのパンフレットには、ビーチ1900は最新型の飛行機だと書いてあったが、いかがなものだろうか。

ネパールに導入されたのは最近かも知れないが、飛行機としてはちょっと使い古された感じが無いでもなかった。何せ、ネパールだから…。
操縦席と客席との間に扉が無いのは、ヒマラヤ上空で乗客を順番に操縦席まで行かせるためだと思われるが、窓から外を見て愕然とした。景色が茶色いのだ。アンバー色に着色された窓は、紫外線カットのためとは言え、これでは真っ青な空に雪をいただいたヒマラヤの峰々が、薄汚れた山にしか見えないではないか。200ミリの望遠レンズまで用意したワタシはどうすればいいのだ!と思ってはみたものの、窓ガラスを外すわけにもいかず、茶色の景色を撮り続けるしかなかった。救いは、操縦席からのパノラミックなヒマラヤをクリーンな窓越しに撮れたこと。

そして、キレイなスチューワーデスが2人もいて、ていねいにヒマラヤの峰々の名前を教えてくれたこと。さらには、操縦席のパイロットがかなりの美人だったこと。サングラスの横顔しか見ていないけど、確かに美人だった。妻も同じ感想であったから、間違いない!
フライトが終わって、空港出口で待つデブさんに美人パイロットの話をすると、「その人はミス・ネパールだった女性です。とても気さくな人で、お願いするといっしょに写真に写ってくれますよ」だって。「おい、そんな大切なこと、先に言ってくれよ!」「でも、どの飛行機に乗るか分からなかったから」 。「はい、確かに…」。
ミス・ネパールのパイロットとのツーショット、あー、ちょっと心残り! 「デブ!お前のせいだからな!」、年甲斐もなく、そんなことを思ってしまったけど、いまは反省してます。

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